——1113日からインドに行くわけですが、いつ頃に決まったことなんですか?

倉林:どっかに行こうって言うのは、2015年1月の名古屋のライブ後に決まっていました。

——これは、普通に考えたら、ただの旅行としても考えられる。それとは、違う訳ですよね。

黒岡:そうですね。というか、長い長い話し合いの中で決まっていきました。

——そもそも、ツアー以外で、ホライズンで旅行に行くことってあるんですか?

黒岡:ないですね。個人的に、一緒に美術館とか誰かのライブとか行くことはあっても。

伴瀬:初めてですね。

 

——なる程、では、「インド」が先だったんですか?「どこかに行くこと」が先だったんですか?

伴瀬:「どこかに行く」っていうのが、先に決まってました。最初は9月くらいに行く予定だったんですけど。それから「インド」になりました。

——じゃ、最初は、場所じゃなくて、「どっかに行くと良いんじゃないか」って話だったんですね。

黒岡:そうですね。「どっかに行く」って話になってました。

伴瀬:黒岡、寝てたよ。寝たり、起きたり。

黒岡:なんか暗い話が続いてたんで、、、じぇじぇじぇ。

——その話し合いは、バンドの今後のことを話し合うような場面だったんですか?

伴瀬:そうです。名古屋ライブの後のホテルの1室で、今後の話をしているうちに、どんどんいろんな話がそれて、最終的に、「旅行行こうか」っていうことになった時に、黒岡が、がばっと起きた。

——「どこかに行こう」っていうのは、一番最初、誰が、言いはじめたんですか?

伴瀬:マジで覚えてないわ。

黒岡:倉林でしょう。

——倉林さん。

倉林:それは、、、、バンドが恋愛でいう別れ話みたいになってたんですね。

——なるほど。それは喩え話的に。

倉林:そうです。それで、「別れたくない」「別れたくない」っていう話で。

——それは、誰が。誰が、別れ話を始めたんですか?

倉林:一尊さんが・・・。

——一尊くんが。

一尊:ま、これ、言っちゃっていいのかな?

——これは言っちゃって良いんじゃないですか。じゃないと、インタビューにならないし。

一尊:僕は、バンド内における、自分の居場所を、1年くらい前から感じていなくて、「したいこと」や「やりたいこと」がなくなっていってたんです・・・・自分の「やりたいこと」がなくなると、これは精神的にも居場所がなくなってきて、そのタイミングで、「ホランソロジー」が出て、、、、「ホランソロジー」は、音源的には、僕は参加していなくて、、、、これは昔の音源で、僕が入る前で。これが決定打というか。

——あー。別れ話っていうのは、バンドじゃなくて最初は一尊くんが抜けるっていう話だったんだ。なるほどね。

一尊:で、話し合いで、抜けるってことが決まって、、それで、名古屋のライブが最後、、ってことになったんです。それで、ライブ終わった後に、じゃ、最後なんで、、、飲むかっていう。話になって。

 

——そしたら

一尊:そしたら、この(黒岡をさして)

——黒岡くんが

一尊:いろいろ、、、

——やだーって?(笑)

黒岡:そうですね。「やだーっ」て言って、

——でもその前に、一尊くんが抜けるのは、合意していたんですよね。

伴瀬:結構長い話し合いが、何回かあって、、、で、一応、名古屋が、一尊の最後の夜ということ決まっていました。メンバーの中で。僕は嫌でしたけど。

——それは、最後になるかもしれなくても、何の発表もなかった。

黒岡:っていうか、「別れたくない」っていう想いが強くて、僕が、発表する発信係を担っていますから、発信できなかった。うまく言葉で書けなかった。それで、かすかに希望というか、ライブやったら、一尊の気が変わるかもしれないっていう楽観的な気持ちを持っていまして、、、

——脱退を発表しちゃうと、言っちゃうとひっくり返らないですもんね。

黒岡:そうです。言っちゃうと、ひっくり返せないですから。訂正するのが、更なる誤解を呼ぶ。ま、そう(脱退)はさせないぞって、、いう。

一尊:ま。というか、脱退するにしても、ホライズンのその後の予定が決まっていなかったので、発表できない状況でもありましたね。

——じゃ、一尊くんが抜けるってことでバンド自体ってことじゃなかったんですね。

黒岡:いやー、その後も、深い話になって、バンド自体もどうしようかな、ってなってました。なんか、悶々としてましたね。とにかく。僕はバンドを前に進めたかったけど。うまくいかなくてね。

——いろんな年齢とか、いろいろ出てもおかしくない話じゃないけど。

黒岡:それで、、名古屋のライブの後にいったん「旅に出よう」って話になったんですけど、僕の中でうまくそれを捉えられなくて、、、そうこうしてるうちに、1ヶ月経ち、2ヶ月経ち、、何ヶ月かたった時に、倉林が「旅行はいつ行くんですか?」ってメールが来て、「旅行か、、」って思ってたんですが、とりあえず、みんなで会って、一体どうするか決めようって話し合いをしました。名古屋の夜から3ヶ月くらい経ってたんですけど、「インド」に行こうってことが、本当に決まって、インドに行くなら、インドに行くことを発表しようってことになって、発表したんですが、またこれ、誤解を生んでたかもしれませんね。でも、4人でインドに行くことを目指しているうちに、別のものが生まれるんじゃないかって、期待していました。変な話ですけど。目標はインドだけど、その前に、ライブをやって、あたらしいホライズンをつくりたい、、、みたいな。脱退とか、そういうことから目をそらしていきたいのと、状況は変えたいというか。エキサイティングな場所にしたいという、、。

——でも、それは根本的な解決じゃないですよね。

倉林:基本的に、僕ら(倉林、一尊)は一回抜けてるんです。(注釈:2006年~2007年の間、ホライズンは伴瀬と黒岡のふたり+αで活動していた)

——あ。そうか。ふたりのとき。あったね。

倉林:そんとき、伴瀬さんと黒岡さんが2人になったら、割と、面白くなってて、そういうの(抜けたらどうなるだろうっていう楽しみが)ちょっとあります。ま。4人でいるより、ふたりでいる方が自由っていうか。ま、「全然知らない人たちを集めてやったらどうなるか?」って面白さが出てくるのであれば、ま。俺なんか全然いらないって言う。か、だから、抜けても、、、、「ホライズン優先」っていうか、「ホライズンが良くなること」を考えたいっていうか。ま。一尊さんや、僕が、。ま。それで、いないで、何か起こるなら、いなくても良いんですけど、ま。ホライズンは面白い方が良いと思って、その中での提案でもありました。

——じゃ、まだ「抜ける抜けない問題」って言うのは、まだ。なんて言うか、火種は消えてないですか?

倉林:そうです。

——倉林くんは?

倉林:う~ん。それはどっちでも。

伴瀬:てっちゃんは楽しければ、参加するし。

——一尊くんは、じゃ、どういう感じなの?

一尊:僕は、その後のことは、考えてなくて、とりあえず、ワンマンをやって、インド行って、その後のことは、、、、その後、考えようって。

——わからないっていうことですね。

一尊:そうですね。

伴瀬:ま。インドに行って、4人の気持ちがどうなるかわからないけど、「インド」に委ねているところが大きいですね。

——何故、インドだったんですか?他にも(案が)出たんですか?

黒岡:ま。(インド以外の国は)いろいろ出たんですけど、個人的に、昔から行きたかったのと、簡単に行けなさそうな感じもして、「インド」に行ってみようっていうことになりました。

——誰か行ったことある人はいたんですか?

黒岡:issy(片想い)ですね。僕たちは誰も行ったことないです。

——近いところでは、イッシーが、、、なるほど、ホライズンメンバーは誰も行ってない。

黒岡:誰も行ってないですね。

——じゃ、しかし、インドっていうのは、、、

黒岡:なんででしょうね。昔から、ビートルズとか、森山大道とか、深夜超特急の人とかが、行ってるという記憶と、、、僕は、個人的にカレーが好きってことと、理由はそれぞれあったりなかったりなんで、難しいですね。敢えて言うなら「ひらめき」です。もっというなら「思いつき」です。「インド」だー!って。「バンドでインド行く」これが面白い感じがしました。最終手段的な感じもするけど。ま。インドに行くというのが、ちょっと面白くなってきまして、、

——インドって、やっぱり先入観っていうか、イメージが強いから、なんか、スピリチュアルなね。。。なんか、でも「自分探しの人」が行くような場所。そういうイメージとは、またちょっと違うんですかね?

黒岡:ま。本当に行ってみないと、何とも言えないですね。とはいえ、この年になって「自分探し」ってなかなか恥ずかしいですね。まあ、さっきも言ったけど、バンドで行くのって、良い気がしてます。委ねてます。

——向こうで何するかって決まってることはあるんですかね?

黒岡:そうですね。僕は、レコーディングしたいとか思ってますけど。どうなることやら。みんなそういう感じじゃないかもね。

伴瀬:でも、なんかそんなに決めたくないんですよね。レコーディングも良いと思うんですけど。

——みなさんの、あの、ホームページの文章読んでみたんですけど、読んでも、何もわからなかったですね(笑)。一尊くんのとかひどいよね(笑)

黒岡:よく言われるんですよ。でも、あの発表の仕方しかできなかった僕達がいるっていう感じですね。本当は、悶々としたもの持ってるんですけどね。多分伝わっているか、まるで伝わっていないか、、どっちかですね。混乱させることはあまり良くないことですが。

——でも、何も決めずにインドに行くって言うことは、普通に旅行になるかもしれないってことですよね。

黒岡:ありえますね。

——向こうでやることを決めといた方が良いんじゃないですか?

伴瀬:そうなんすよね。でも。ワンマンがあるから、、、まずは、ワンマンから。

——でも行く前ですよね。

伴瀬:そうですね。

——ワンマンは、一応、壮行イベントというか。新しい曲とかあるんですか?

伴瀬:そうですね。新しい曲とかつくってて、新しいことはやるんです。それに向けて、もがいてるところですね。

——そうするとインドの位置づけが、なんか。よく、なんか、、わからないっていうか(笑)。

伴瀬:そうですね。個人的には、なんか、混乱していますけどもね。

——ま。面白く、、面白くなるかどうかわからないけど。

倉林:ま。インド行くことになったので、これまでの予定を立てれたというか。ま。お金を貯めようっていう。ライブしようっていう。

——そうか。そういう側面もあったんですね。でも、この前の、大橋裕之フェス見させてもらいましたけど、バンドの状態、すごく良く感じましたけどね。

伴瀬:よく、感じられました?

——演奏も、すごい、ノッてたっていうか。

黒岡:そうですか。ま。僕は、良いバンドだと思いますので続けたいっすけどね。

——ホライズンは、なんか、本当に、ひょんなことで、ブレイクしそうなってずーっと思ってたんだけど、ま。それもね。僕の無責任な意見で。ただ、それは、続けないと。なくなっちゃったら。もう何も起きないので。

黒岡:そうですね。

——でも、ホライズン、面白いのは、やっぱり、他の若いバンドと違うのは、みんなホライズンのメンバーそれぞれ、仕事とかあったりとか、割とね。だからすべてを捧げて、それが無くなったら人生考えなくちゃいけないっていうそういう感じでもないから。gellersとかは、地続きな感じするけど、ホライズンって、各々のやってることと、バンドの取り組みの切替が出来てるっていうことも確かで、生活がどうとか、関係なく、ホライズンが行き詰まれば行き詰まる程、みんなでこのバンドどうするんだっていう話も必要でしょうね。

伴瀬:切替が出来てないとこういう話も出来ないでしょうしね。

——何となく続けることは出来るんでしょうけどね。

伴瀬:そうなんですよ。

——一尊くんは、でも、あの。自分の居場所がっていうのも、あれですけど、なんかその、音楽は、他にやってる訳じゃないですよね。

一尊:やってる訳じゃないです。

——じゃ、あれですけど、客観的に見て、ホライズンをやっていても、あまり良くないって思うことあったんですか?

一尊:そうですね。バンドの状態が良くないってずっと思っていて、2012年のちょっと前から、何となく「淀んだ感じ」があって。このまま、自分達が楽しい感じにならないと義務感のようになってしまうというか、、、、そういうのはホライズンらしくないし、そういう状態でやるのは、そんなに面白くないって僕はずっと思ってまして。

黒岡:一尊は、ホライズンが面白くなるために、「自分は身を引く」って言ってまして、そういうのもあって「脱退」って話が出て、でも「(身を引くことは)それは違うな」と思ってまして。

——さっきの倉林くんも同じようなこと言ってましたね。

黒岡:(一尊は)ホライズンの為に、自分が身を引いて、面白くなるならいいと思っていて、そういう状況も加味して、「一度抜ける」っていう話があったのも事実です。

——なるほど。

一尊:ショック療法ですけどね。

 

——この間、黒岡くんは、あがいて、もがいて、割と実験的なことやったりしてて、1年間。

倉林:全然、ホライズンでは出てこないんですよね。

黒岡:わっはっはっは。

伴瀬:ソロプロジェクトですか?

——ソロプロジェクトとかは、面白いんと思うんだけど。ホライズンのというか。

黒岡:無理矢理していた部分はあるかも、、ね。何かやろうとしていたけど、なんか、うまくいかなかった。フィットしてなかったでいうか。ま、往々にしてそういうことはありますけど(笑)

——「何かやろう」としていたのはわかったんですが、あまりホライズンがやる必然性を感じないような企画があった。良さが生きない感じの。俺がまずいなと思ったのは、そこそこお客さん入っているから、逆にまずいなって思って。お客さんがいるっていうのと、満足してて、成立しちゃってて。

伴瀬:あれ、お客さんが、3人とかだったら面白いんですけど。

——そうですね。それなら、「ま。いいか」ってなるんですけどね。人来てて、それなりに、お客さんも満足しててっていう

黒岡:うーん。満足してたか、、どうかわからないんですけど、、ま、あまりそういうのは見せたくないっすね。

——でも、言ってみたら、一尊くんが「淀んでる」って言ってたけど、この時期、周りのバンドも売れてきたり、日の目を見てきたり、っていう何年かだったので、っていう状況の中で。ホライズンが、注目されてもおかしくないって状況だったわけだけど、かといって、「抜け」が良くなってるってわけでもないから。

黒岡:周りの状況というよりは、メンバー間の中で、イマジネーションのやりとりが出来てないっていうのが問題だったでしょうね。コミュニケーションが とれてないっていう、そういう時間が続いていて、周りのバンドはどうあれ、、。自分たちがやることに対して、ちょっと前までは、「すげーかっこいい」と思ってたんですけど、なんかうまく歯車がまわっていないなと感じていて、、遠慮したり、、、変なものが伝染して、良くない空気が生まれていったような気がします。

——伴瀬くんはソロも充実した中でホライズンはどういう風に思ってやってるんですか?

伴瀬:ホライズンに関しては、「4人のバンド」っていう意識が、すごく強くて、黒岡とふたりでいろんなことをやる時期は、ちょっと過ぎたかなって思っていますね。、必然性があれば、いろんな(外部の)人を呼ぶことが可能なんですけど、基本的には、4人でやりたいって言うね。4人でやっていれば、独特なものが出ますから。ソロでやるようなものが、通用しない、、、、そういうのが面白いかな。だから、委ねる部分がすごい多い。だから、悪く言うと、音楽に責任を持たないっていうことでもありますね。でもそれが面白いかなって思いますね。

——でもそれは、投げて、変なものが出て、「あー。いいな!」ってなって、バンドが、いいなと思えるわけですもんね。それが出て来なくなったりすると、、

伴瀬:そうですね。そこら辺をすごく考えているんですけど、ま、時期によって手応えの反応が全然違う。。。ま。そういうのが、バンドであったりするんですけど。そこら辺は、すごーーーーく長い目で見たいなって思ってます。全然、そういうの、面白いんですよね。巻き込まれた感とか、そういうの面白いんです。それを楽しむって言うか。

 

——インドに関しては、ある意味、自分たちで企画して自分達で行くことであるから、あのー。なんだろ、、、、ハードルとかそういうことじゃないから。何も起きなければ何も起きないで帰ってくるっていうか、ただ旅行して帰ってくるっていうか。そういうこともありえますね。

黒岡:そうですね。ま。それは、それで。

——でもそれにしたら8日は長いですね。一日目何するかも、決めてない?

黒岡:そうですね。バンドの総意として「何も決めないで行きたい」っていう空気を感じますね。個人的には、いろいろ決めて行きたいんですけど。結構、僕を含めて、みんなダラダラするタイプだと思うから、決めないと、本当に旅行になると思うんですけどね。でも、あまり決めないでいった方が、ある意味、自由な気はしますね。解釈の仕方ですが。

倉林:ま。インド行くのは、今まで、ライブだけ、ピックアップしてたけど、リハとか、ライブ終わった後の打ち上げとか、ま、練習終わったら、いつも話してましたけど、そこっていうか、そこをピックアップするっていうか。そういうことをしたいんですよね。

——なるほどね。

倉林:バンド生活してて、今まで4人で、過ごす時間って、スタジオの時間とか、ご飯食べる時間っていうか、全部大事っていうか。

——なるほど。この(インタビューの)時間も大事なんですね。この時間も。

倉林:なので、それを、、、そういうことなんですけど。

——それって、なんか思うんですけど、ただの旅行好きの仲の気のあう4人じゃなくて、バンドでやるって言うことは、「何かあって」のインドっていうか、その後、その次があるっていうか。そういう印象は受けるますよね。だから、行く前にライブって言うのが、「すげーな」って思ったんですが、っていうか、「普通逆だろ!」って思ったんだけど。行く前にじゃなくて、帰ってからやればいいのにって、そうすれば、ねえ。って思ったけど。逆なのが面白いって言うね。行く前に(ライブ)やるっていうのが。帰ってきて、何が出るんだって言うのが、気になるのに、、、逆なのが。また。帰ってからもやるんですよね。お披露目。

黒岡:ま。帰ってからやるライブは、インド次第でしょうね。違う集団になって帰ってくるかも。それで、12月以降のオファーとかも頂いているのですけど、どうなるかわからないので、断ってますね。

——帰ってからワンマンでしょ。

黒岡:ま。お客さんとかにも「凱旋ライブやってください」って言われるんですけど。ま。何も、こういう状況を説明してなかったので、「へへへ」とか濁してたりして。嫌ですね。それは。

——普通、逆だと思うけど。

黒岡:ま。本当に行ってみてからっていうことですね。

でも、まー。じゃ、、ま。とりあえずは、「刺激」ってことでのインドってことですね。「刺激」っていうか、そういう意味では、ある意味っていうか、ベタな、「インド」で良いのかもしれないですね。

伴瀬:ある意味、ベタなのかもしれない。

——ある意味っていうか、もろ、ベタでしょう。いやー、普通、知り合いの大学生とかが、就職失敗して、「インド行く」って言ったらみんな止めますよね

黒岡:わはっっはっは。そうですね。

——「俺、インド行ったら変われる気がする」って言い出したら、全力で止めますよね。

黒岡:なんかヤバい感じするな。

倉林:話せば話す程、それに近い感じがしますね。

一同:笑

倉林:ということになっちゃいますよね。だって、次のアルバムつくれるくらいの貯金が貯まっているけど、それを全部インドに、つかうわけですから。

——あ。旅行用の積み立てしてた訳ですね。

黒岡:いや、違います。バンド資金を全部インドにつかうってということですね。

——あ。そうか、じゃ、バンド資金の使い道っていうそういう切り口もある訳だ。

伴瀬:そうですね。

——なるほど。このバンド資金をどうやってつかうかっていう。

一尊:もともとは、黒岡くんのボイストレーニングに全部つかう予定だったんですよ。

倉林:笑

伴瀬:それだったら、バンド貯金、全部つかっていいよってことになったんですよね。

一尊:すごく歌がうまくなって帰ってくるという。

——それも面白いっていうかね。

黒岡:でも、みんなで貯めた金を、僕の為だけにはつかえないっていうか。それは、自分で何とかするっていって、伴瀬にレッスンをお願いして、一時期、スタジオに入っていました。

——声と引き換えにインドをとった訳ですね。

黒岡:ただ、そういう時、僕、鼻づまりを治したら歌がうまくなるんじゃないかって、、耳鼻科に行ったことがあるんですですよ。そしたら、骨が根本的に曲がっていて、簡単な処置じゃ治らないので、本気で治すなら大規模な手術になるっていうことを言われましてね。ま、言ってみれば鼻の骨とか、全部削る大規模な手術なので、整形手術ですね。ま、これは、バンド資金で賄える額じゃないんですけど、、、ま、そういうこともありました。

——インドは安いかもしれないから、医者にかかるって言うのはどうですか?鼻まげてもらって。

黒岡:大変なことになって帰ってきますよ。クリリンみたいになって。ま。そんな話もありましたってことです。いろいろ、紐解けました?

——ま。インドは、設定とか、外側だけ見てたら、よくある話ですが、それがどうなるっていうかね?それが、行ってみないとわからないっていうか。

黒岡:どうなるかわからないですね。

——いま、ここで、どうなって帰ってくるか話す程、ナンセンスなことはないですからね。でも、ホライズンらしいですね。

黒岡:そうかもしれないですね。ま。その前に、ワンマンがありますからね。インドとは関係ないかもしれないけど、準備中です。

 

——でもワンマン、これ、、最後のライブになるかもしれないですね。インドで何が起こるかわからない、、ってこと考えたら。今のメンバーで見られる最後かもしれないって、、そういうことですよね。場合によっては。

伴瀬:黒岡が帰って来れない可能性が一番高いです。

——手術に失敗して?

黒岡:いやいや。

——でも、そんな人いっぱいいるんでしょうね。何か、壁を感じて、インドに行く人って。ミュージシャンとか、いっぱいいるんじゃないですか?

倉林:中国でも、ユースホステルとかに、ずっと何してるかわからない人がいましたよ。

沖縄とかにもいますもんね。だから、一見、ぱっと聞くとそういうものと変わんないっていうか、そのまんまをなぞる可能性も「なきにしもあらず」っていう。

黒岡:でも、言いたくないけど、何か起こるっていうことを信じています。ま。過度な期待は良くないですが。

——みなさんの、周りの人たちはどういう感じなんですか?

黒岡:「インド」って何のことですか?って聞かれることが多かったので、「インド」は「インド」です。っていうのだけ発表しましたね。細かい話は、書き方によっては、メンバーを失うことになりますので、慎重になってて、書き出せなかったですね。

伴瀬:あれなんですよね。なんでインドなんですか?って言われても、言えないんですよね。

——まあ、はっきり言えば、バンド継続っていうのが、このままやってても、状況良くないし、もしかしたら、メンバーも抜けるかもしれないし、この中の一人でもメンバーが抜けたら、ホライズンじゃなくなるっていうのであれば、バンド自体が解散になる可能性もある。ってことですね。そういう危機なんだと。だから、とりあえず、インドなんだと。

黒岡:傍から聞いてると、ますますヤバい感じですね。

 

——まあ、そうですね(笑)。でも、ライブやるのが一番良いと思いますけどね。それだけ決めておいて、解散でもいいし。まあ、でも行く前にやりますね。その勇姿を。ライブで見れますね。でも、面白いのは、傍から見てると、そんな悪い状況には見えないっていうか、今なんか、上向きになっているような感じを受けましたけどね。

黒岡:そうですかね?一尊が辞めるってなった時に、僕、一尊と曲をつくったんですね。これは、何かの突破口だって無理矢理つくりましたけど、これは、僕にとってはとても、大きいことでした。この曲に限らず、録音したいなあって思いますね。

倉林:録音の前にいろいろ悶々としてますよね。4人で話すと。それどころじゃないっていうか。

——インド行って、どうなるかわからないから、何とも言えないですけど、ま。ひとつだけ、注文つけさせてもらうとすれば、せっかく日本を離れて、インドで、ちゃんと、思ってることを、ぶつけあえばいいんじゃないですかね?それは、音楽どうこうじゃなくてやった方が良いんじゃないですかね?それが一番大変なことで。長くやっている人程、やってきた人たち程ね。今更、そんな話できないっていうかね。

伴瀬:そこは大事なことですね。

——一尊くんがひとつ、大きな石を投げたということもありますから、それを大事にしなきゃいけないですね。まあ、向こうでぶつけあってくれば良いんじゃないですか?

  

 

——質問です、インドに楽器は持って行こうと思ってますか?

伴瀬:思ってません。現地調達。

黒岡:持って行きます。

一尊:考え中です。

倉林:持って行かないです。この辺で(チャカチャカ音を出す)。

 

——個人的にインド行ってみたい場所ありますか?

倉林:僕は、石井光太さんの本を最近良く読むんですが、そういう世界を覗きたいですね。

黒岡:ガンジス川に向かって「ガンジス」という曲を歌いたいですね。

一尊:何もない状態でそこに身を置きたいです。

伴瀬:何を見たいっていうのは特にないのですが、一番楽しみにしてるのは、何かに巻き込まれた時のみんなの対応ですね。そこをどうするかっていうのがワクワクすることです。期待しているっていうか。人間性っていうか。

  

——とりあえず、楽しみにしてます。インド、楽しみにしています。これ読むと、ワンマンもこなきゃいけないですものね。

倉林:先週は、ちなみに、ワンマンの宣伝の話で、モヤモヤしていました。「LAST LIVE インド前」って書こうって言ったら、黒岡さんが「それは嫌だなぁ」って。

——それは結論出たんですか?

伴瀬:それは出ないまま終わりました。

——でもそれは、現体制でのライブは最後になるかもしれないって、いいんじゃないですか。でも、それを売りにするのは変なんで、、、

黒岡:そうなんですよね。そういうことを売りにしたくないんですよね。

——でも、いいんじゃないですか?だから、このインタビューでいいんじゃないですか?このインタビューとセットで。

伴瀬:そうですよね。これが一番、誠実な感じがする。

——でも、これ聞いて良かったっていうか、僕だけじゃなく、いずれにせよ、これがないと、全然伝わらなかったって言う(笑)

伴瀬:そうですよね。「LAST LIVE インド前」だけじゃ、伝わらないですよね。

——だからといって、バンド側から発信するのは難しいと思いますよ。この内容を。自分たちで。

倉林:ずっと、そんなんで、もやもやしてました。

黒岡 :ま。良かったと思います。

——お役にたてて、良かったですよ。

伴瀬:九龍ジョーさんは、「解散ライブ」とかについてどう思います?

——いや、本当に解散するんだったら、やった方が良いですよ。でも、僕プロレスとか、よく見てるから。大仁田とか、何回引退してるんだって。

黒岡:僕、引退ライブっていうか、あんまり興味なくて、僕、面白いから、面白そうだから、行くんですよね。だから売りにするのは、ちょっと抵抗感があります。

——ホライズンは、いっそのこと名前変えて、ひゅっと出てきても良いんじゃないですか?

一尊:それくらいの、ラフさは欲しいですね。

——でも、やっぱり、解散ライブ意味あるのは、YMOとかもそうだけど、人気絶頂の時にやるから、「おー」ってなるけど、もーなんかさ。ダラッとしたところでやる解散ライブって、やってもやんなくても良いんじゃないかなって思うんですけど。

伴瀬:それは思うかな。

——休止くらいにしといて、また始めれば良いんじゃないかな?それは、すごいオファーが殺到していてって時は、言わないと、いけないし。

伴瀬:それは必然にかられますもんね。

——やっぱりやることに、意味もあるし。次に進めるし。

伴瀬:必然にかられてないっていう状況も事実なんですよね。

 

黒岡:最後にみんなの将来の夢は?10年後の。

——インタビュアー変わっちゃった。(5秒考えてから)僕は、「ニッポンの芸能」に出たいですね。

黒岡:えー。いいなあ。僕は、、、、、、、10年後、「生きていたい」ですね。うーん。かっこわるいな。倉林は?

倉林:うーん。全然、音楽的なことは、、うーん。なんだろうな。

——虎茶屋は?

倉林:どっかでお店やっていたいですね。昨日、ミシュラン2つ星のところに行ったのですが、素材を熟成させてるんですけど。臭みのあるところを徹底的に覗いて、それを熟成させてて生で食わせる。どんだけ手間がかかってるんだって。

——いつかそれくらいのこただりを。

倉林:違う形で、こだわれれば。

黒岡:わかりました、じゃあ、どうします?どっちが良いですか?九龍ジョーさん、どちらから聞きたいですか?

——いやだな。なんか、俺がこの質問したって思われるし、黒岡くんがしたんだから。

黒岡:じゃ、一尊は、10年後聞くとして、伴瀬は?

伴瀬:自分がどうなってるかわからないですけど、20年後には、ドラえもんの主題歌を歌っていたいです。

——すごい売れてなけりゃ行けないですね。紅白出てないと。

伴瀬:そんなに売れてないと行けないんですか?

黒岡:いいなあ。伴瀬が歌ってるといいね。

 

 

【九龍ジョー:プロフィール】ライター、編集者。 「メモリースティック ポップカルチャーと社会をつなぐやり方」(DU BOOKS)など。

「ホライズン山下宅配便 LAST LIVE インド前 ワンマンライブ」

2015.11.12(木)  Star Pine's Cafe(吉祥寺) open 19:00 / start 20:00 料金 : adv. ¥2800 / door. ¥3300(税込み/共に1D)
予約→Star Pine's Cafeのスケジュールページから、SPC予約で受け付けています。または、店頭でお買い求め可能です。絶賛予約受付中。

 

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